流行が終わる時

ホームページのデザインには流行があって、昔いいといわれていたものが、今は否定されたりすることがよくある、という話です。

かってFlashが大流行した時代がありました。2000年代の前半です。Flash(フラッシュと呼びます)とは何かと簡単にいいますと、ホームページ上で見せるアニメーションを作るソフトウェアで、一般的にはソフトよりも、それで作られたアニメーション自体をFlashと呼んでいました。

その時代には、Flashだけで作られたホームページもありました。
わたしたちもたくさん作っていました。

しかしスマートフォンがFlashをフォローしないことから(スマホではFlashは表示されません)、スマホの利用率が支配的になった2012年あたりから姿を消しました。

心が痛くなる瞬間です。

今でいうとパララックスサイトが、だんだんそんな風になってきました。AppleのiPhoneのサイトでももう止めてしまって、ごく普通のページになっていましたから、もう流行の終わりを感じます。

パララックスは見る人の目をひきますが、使う写真によっては酷い事になるし、その部分で必ずコストがかかります。極端に横長の写真を、さらに綺麗に見せないといけないので、カメラマンにその意図がちゃんと伝わっていないと、なかなかパララックスにジャストな写真を撮ることが難しいです。しかもレスポンシブさせた時は、スマホモニタ用の比率に合わせたものを一緒に撮ってしまわないといけないので、かなりデリケートな仕事の進め方が要求されます。

さらにGoogleが今、SEOの評価基準に「サイトが早く表示されること」をやたら強く言っているので、その点でもでかい画像を何枚も貼るパララックスは明らかな欠点があります。

あと、流行りだからいいのかっていう問題も当然考慮しないといけません。

パララックスは文章読ませることは捨てて、「写真を綺麗に見せる」ことに全振りしてしまっている技術です。サイトに訪れる人のニーズがそこにあればいいのですが、そうじゃないサイトでパララックス使っても上のデメリットをカバーできるんでしょうか。

流行が終われば、また次の流行に合わせて作ればいいんだよ」とおっしゃった方とつい最近お話しをしましたけど・・・・・

それはあまりに広告代理店脳じゃないですか。

そんな発想になれる人に、わたしも(出来ることなら)なってみたい。
幸せに生きていけるだろうな

まぁ、苦しいところですね。

Flashにしても、制作者のわたしたちからしたら、全部作り変えて普通のサイトにしてしまいたいですし、5年以上前に作ったサイトは文字が小さくて色がグレーで淡かったりするので、デザイン性がどうの以前にテキストが読みにくく、そういうところでも変えてしまいたいんですが、「タダで」っていうのは難しい。サイトのリニューアル提案をすると、お客様にしたら「おぅ、なんだまた営業か」って耳に聞こえるのは当然でしょう。

申しわけないって思います。

もう流行を追わないことにした方がいいのかな。